ほらり

フランス仕込みの別海産ケーキ「カフェ・ミルフィユ」

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約4分

フランス仕込みの別海産ケーキ「カフェ・ミルフィユ」

代表パティシエ:千葉隆司さん(Uターン)

別海町市街地にある赤い屋根と猫の看板が目印のお店「Café Mille-Feuille(カフェ・ミルフィユ)」。このお店をおひとりで経営されているのが、町内出身のパティシエ千葉隆司さんだ。

物心ついた頃からお菓子を作るのが好きで、町で自分のお店を持つため、本格的な勉強をしようとフランス校での留学コースがある「辻調理製菓専門学校大阪校」へ入学。フランスのパティスリーでの実践授業を修了後すぐに帰国せず、シャンパーニュ地方のエペルネで3年、その後も東京銀座のレストランで修業を重ね、5年前に別海町に戻り、念願のお店「Café Mille-Feuille」をオープンした。

お店の名前「ミルフィユ」は、“千枚の葉”を意味する言葉。フランス修業時代「ムッシュ・ミルフィユ」と呼ばれていた千葉さんにぴったりの店名だ。

東京でお店を持つことは考えもしなかったという千葉さん。「パティシエを志したきっかけも、別海町でお店を持ちたいと思ったからです。戻ってすぐの頃は、お店を大きくしたいと考えたこともありましたが、店の経営をしていくうちに、自分が一番したいことは、私の作るケーキを必要としてくれる人を、笑顔にすることなんだと気づきました。」と話してくれた。

そんな千葉さんは原材料にも強いこだわりを持っている。使用する牛乳、チーズ、バターなどの乳製品は生乳生産量日本一の別海町産。卵も町内の農家が牧草を餌に平飼いで育てたニワトリの有精卵を使用するなど、町内で作られたものを原材料にすることを大切にしている。

日当たりのいい店内は、シックな雰囲気の中、所どころにかわいい雑貨が飾られていてゆっくりと過ごすことができる。定番のケーキと旬の果物を使ったケーキがきらきらとショーウィンドウを飾り、見ているだけで幸せな気分になる。

人気のケーキは、『ぜいたくイチゴショート』と、レアとベイクの2層で作られる『べつかいチーズケーキ』。特にチーズケーキは、ふるさと納税の返礼品としても好評で、町の知名度アップに貢献している。

四季ごとに替わる季節メニューのミルフィユは、この時期これから旬を迎えるベリーを使用し、サクサクのパイ生地に手作りのアイスクリームやジャムなどをのせて提供されており、味はもちろん、見た目も美しい。

今回、色々ケーキを食べたが、その中で個人的に一番おすすめしたいのは、こだわり卵とべつかいの牛乳を使用して作られる『べつかいの恵みキャラメルプリン』だ。「プリンかい!」とツッコミを入れたくなるかもしれないが、このプリン、私が今まで食べたどのプリンよりもとろっとろで、本当に驚いた。カスタードクリームよりもやわらかくなめらかなとろとろ食感。一口食べて「美味い」と思わず口から出てしまう。とろとろプリンの好きな方はもちろん、ぜひ皆さまにご賞味いただきたい一品だ。

べつかいの恵みキャラメルプリン

製造から接客まですべてを1人でこなす。クリスマス時期に取材をさせていただいたので、お忙しくて大変ではないですか?と尋ねたところ「無理強いをさせられているのであれば、大変だと感じることもあるかもしれませんが、私は好きでやっていることなので、大変だと感じたことはありません。」と話された。

「地元の皆さんの温かさや、お店を利用されるお客様の優しさに、私は感謝しかありません。今まで続けてこられたのも支えてくださったお客様がいてこそです。」

常にお客様への感謝の気持ちを大切にする熱い思いと人一倍強い地元愛を感じた。

別海町産にこだわりをもって作られるフランス仕込みのケーキを求めて、何度も足を運びたくなるお店「Café Mille-Feuille」。優しい笑顔の千葉さんにぜひ会いに行ってほしい。

文・写真:原田佳美
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